「4Dエコー」で赤ちゃんの様子をチェック!4Dエコーができる時期


妊娠中は妊婦健診などのエコー検査(超音波検査)で、お腹の中の赤ちゃんの様子を見ることができます。「エコー写真」と言われると、白黒の濃淡で赤ちゃんを映した写真を思い浮かべる方も多いでしょう。


今回は、近年増え始めた4Dエコーについて解説します。従来の2Dエコーや3Dエコーとの違いや4Dエコーができる時期などについてもまとめています。


◎そもそも4Dエコーって何?


ここではエコー検査や4Dエコーの特徴についてまとめています。


  • エコー検査とは

  • 4Dエコーは立体的な映像


それぞれ詳しく見ていきましょう。


[エコー検査とは]

医療機関で行われるエコー検査は、超音波検査とも呼ばれます。超音波は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波のことです。

エコー検査では超音波を使用して、身体の中の様子を映像として見ることができます。


エコー検査で使われる超音波は、液体や柔らかい個体の中で伝わりやすいという性質があるため、妊婦健診では羊水の中にいる赤ちゃんやへその緒などをよく見ることができます。


エコー検査は妊婦さんや赤ちゃんに対する副作用の報告もなく、安全な検査として世界中で広く行われています。


妊婦健診では、経腟エコーと経腹エコーがあります。妊娠が分かる頃(妊娠4週頃)から妊娠11~12週頃までは膣から検査する経腟エコー、妊娠12週以降は、お腹の上から検査する経腹エコーを行い、必要に応じて経腟エコーを行うことが多いです。


[4Dエコーは立体的な映像]

4Dエコーは赤ちゃんの様子を縦軸、横軸、奥行きで立体的に捉え、赤ちゃんが動く様子も映像として見ることができるエコーです。


一般的なエコー検査は2Dエコーで行われます。2Dエコーは、縦軸と横軸の2次元で表され、赤ちゃんや胎盤などを動画や写真で確認します。


赤ちゃんの大きさや赤ちゃんの内臓の位置、胎盤の位置など妊婦健診で確認しておかなければならないことは2Dエコーで確認します。2Dエコーの写真は白黒の濃淡で表されたもので、赤ちゃんの顔が映っていても、表情まではわかりません。


2Dエコーに奥行きを加え3次元で表したものが3Dエコーです。3Dエコーでは赤ちゃんを立体的な動画や写真として見ることができます。3Dエコーの写真では、赤ちゃんの顔をよく映せたものだと表情もしっかりわかります。


そして、3Dエコーに時間軸を加え、4つの次元で表したものが4Dエコーです。3Dエコーで確認できた立体的な赤ちゃんの動いている様子を見ることができます。赤ちゃんの表情がわかるだけでなく、タイミングによっては、赤ちゃんがあくびをする様子や手を振る仕草、へその緒で遊んでいる様子なども見られることがあります。


◎いつ・どんな映像が見られるの?


ここでは4Dエコーができる時期や見られる映像についてまとめています。


  • 4Dエコーができる時期

  • 【週数別】4Dエコーで見られる映像]


それぞれ詳しく見ていきましょう。


[4Dエコーができる時期]

4Dエコーができるのは、お腹の上から行う経腹エコーのみです。実施する医療機関にもよりますが、妊娠12週頃から可能になることが多いです。


妊娠12週未満でも経腹エコーを行うことはできますが、赤ちゃんがまだ小さく、顔のパーツも出来上がっていないため、身体の全体を見ることしかできません。


妊娠12週以降からは次第に赤ちゃんの顔立ちや表情、動いている様子も見ることができるようになります。赤ちゃんが大きくなってくると、全身を見ることはできなくなり、顔の一部や身体の一部のみを見ることになります。


妊婦健診で行う赤ちゃんの発育の確認や子宮の状態などの確認は2Dエコーで行います。2Dエコーで赤ちゃんや胎盤、へその緒、羊水など子宮の状態を十分に確認してから、4Dエコーを行うことが多いです。医療機関によっては3Dエコーや4Dエコーが毎回あるとは限りません。


[【週数別】4Dエコーで見られる映像]

4Dエコーで見られる映像を週数別で以下にまとめています。妊娠週数はおおよその目安です。


妊娠週数

見られる様子など

12~14週

  • 身体は小さい
  • 子宮の中で浮いている様子
  • 手足やへその緒も見える
  • 2頭身から3頭身になる頃

15~19週

  • 手足を動かす様子
  • あくびや指しゃぶりをする様子

20~23週

  • 盛んに手足を動かす様子
  • 指や性別も見やすい
  • 全身を1画面に収められる

24~27週

  • 全身を1画面には収められない
  • 表情が見やすくなる(笑っている、しかめっ面など)
  • へその緒で遊ぶ様子

28~32週

  • 顔を映しやすい時期
  • 顔立ちがはっきりする頃
  • 指を吸っている様子

33週以降

  • 身体が大きくなり、見えづらくなる
  • 顔の一部や身体の一部しか見えない
  • 上手く映れば、ふっくらとした顔が見られる
  • 生まれる時とほぼ同じ顔
  • 36週以降は赤ちゃんの頭が下降するため、さらに見えづらくなる

赤ちゃんの発育には個人差があり、また、赤ちゃんの体勢や大きさ、子宮の状態によっては上記の様子が見えないこともあります。エコー検査に要する時間も限られたものであるため、希望する映像が撮れない場合もあることを理解しておきましょう。


医療機関によっては、4Dエコーの映像を保存して持ち帰ることが可能なこともあります。必要な費用とともに事前に確認しておきましょう。


【4Dエコーで赤ちゃんを身近に】


4Dエコーの登場によって、お腹の中の赤ちゃんの様子をよりリアルに見ることができるようになりました。表情や仕草を見ることができると、赤ちゃんへの愛おしさがより一層増して感じられることでしょう。


エコー検査にはパートナーや他の家族も同席できることもありますので、かかりつけの医療機関で確認してみましょう。赤ちゃんが成長する様子を家族で一緒に見ると、赤ちゃんとの出会いがより楽しみになることと思います。


松下産婦人科医院
医師
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